・たまたま立ち寄っただけだった。 何かここのところ憂鬱である。 気晴らしに遠山郷へと行ってみた。 飯田まで行きそこからどんどん山に入っていく。 そして長いトンネルをぬけると、 急な斜面にお茶の段々畑、そして 小さな集落が所々にみかけた。 何か別世界にきたような気がした。 さらに遠山郷に向かって細い道を走る。 木沢という小さな集落を通る。 たまたま、「旧木沢小学校 見学自由」 という看板を目にした。あてのない旅なので その学校に寄ってみた。 そこは、人気のない古びた木造校舎だった。 学校をみていると、校舎から一人 のおじさんが出てきた。 「見学に来たのかい?」 「はい」 と答えると、おじさんは校舎の中に案内してくれた。 |
![]() お茶畑 ![]() 廊下 |
![]() 教室の中 ![]() 絵がかかっている |
・校舎の中に入る。 校舎の中をまわってみる。 廊下には昭和30〜40年代のものと 思われる子供たちの写真が飾ってあった。 教室に入る。 薄暗い教室の中には 昔の机と椅子が並べてあり、 教室の隅には古いオルガンがある。 壁には子供たちがかいた絵がかかっていたり 今にも教室に子供の声が聞こえて くるような気がした。 窓から外をみると、斜面にお茶畑が広がる。 下に降りるとおじさんがストーブをつけて コーヒをだしてくれた。 おじさんと話をする。 この学校は明治5年に誕生し、この校舎は 昭和7年につくられたそうだ。 多いときは300人くらいの子供がいたが、 その後、減り続け平成3年に休校 平成12年には廃校になったという。 その後、校舎の取り壊しの予定もあったが、 保存することとなり、保存会や山の会、鉄道 ファンの協力で、今は遠山森林鉄道に関する 資料や霜月祭り、南アルプスの写真などの 展示館となっている。 話をしているうちに外は薄暗くなって しまった。 おじさんに お礼を言って校舎をあとにする。 |
・不思議な空間だった。 遠山郷からの帰り道 木沢近くに降りてみた。 息をのむような満天の星空だった。 再び、長いトンネルをぬけ、しばらく行くと、 街の明かりがみえてきた。 気分が憂鬱だったせいかもしれないが、 不思議な空間を感じた。 |
![]() トンネルをぬけてしばらく 行くと街の明かりが |
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